再会
翌日
今日は早めに学校を出ていた。そして、後門に向かう。
だが、そこに彼女の姿はない。『先輩』葵皆海の姿は、ない。
それでも緋影は待った。彼女が現れるのを。
しかるべき時間帯に、しかるべき場所に自分がいれば、葵から接触してくるはず。
緋影はそう考えていた。腰を降ろし、その場に座り込む。
だが待てども待てども彼女は来ない。
キーン、コーン、カーン、コーン。
始業のベルが鳴る。
しかし、緋影は地面に根を張った大木のように一向に動かない。
ただ、ひたすらただ待つ。
……………………
「……本当に強情な人ですね」
背後から突然声が聞こえてきた。どことなく呆れている口調。
だが声は聞き覚えのあるものだ。
「待ってましたよ、先輩」
緋影は土埃を払いながら、ゆっくりと立ち上がり、振り向いた。
彼女の顔には複雑な表情が浮かべられている。
「……それにしてもよく私と会う気になりましたね。怖くはないんですか?」
「直接会いに行くって手もあったんですけど、流石に気が引けまして」
「私が、怖くは、ないんですか?」
一言一言区切るように葵は言う。それに対し、
「……普通なら、二度と会おうとはしなかったでしょうね」
緋影は真っ正直にそう言った。葵はたまらず視線を逸らす。
「ただ、俺は先輩がどういう人かは知っているつもりだ。だから、会いに来た」