終わらない驚愕
「…………!」
突然の事態に混乱していた緋影の表情が歪んでいく。
傷が塞がっていくのだ。
勢いよく出ていた血は段々止まり始め、ついにはぴたりと止まった。しかも傷口は最初から無かったかのように消えている。
まるでビデオの巻き戻しをして見ていたかのような錯覚に陥る。
緋影はなんと言っていいかわからなかった。いや、かける言葉が見付からなかった。
ずれた眼鏡に見える、彼女の色は、例えようがないほど暗い。
「……ごらんの通り、私もれっきとした化け物です。化け物退治には常人よりも化け物の方が向いています」
それでも何か言おうとした緋影だったが、
「……さよなら、深山君」
そう言って葵は夜の闇に消えていった。