狂える刃

虚しい叫び

虚しい叫び

公園のベンチにどれだけ座っていたかわからない。

夕日は姿を隠し、月が弱々しい輝きで緋影を包んでいる。

彼女を、どうにかできないのか?

……偽善者が……!

もう、彼女は駄目だというのはわかっているのに。

唯一の方法は、彼女を殺して止める事だけだと、わかりきっているのに!

…………

腕時計を見てみる。時計はすでに次の日になったことを告げている。

「……今日はもう帰ろう」

自らに言い聞かせるように呟くが、何かの音が聞こえてきた。

ギィンッ!

なにやら金属同士が当たったような鈍い音。

 ジャリ、ギン、ギィンッ!

 空耳ではない。

誰かが戦っている。緋影は音が聞こえてきた方角に向けて走り出した。

 何故か電灯は灯されていない。

 (昨日は気付かなかったが、途中から電灯が落ちていたな)

 だがそんな事はあとで考えればいい。今やるべき事は他にある。

右のポケットからナイフを取り出し、左のポケットに閃光弾が三発入っている事を確認する。

 (闘っているのは、小川なのか?)

 …………