私を止めて
私を止めて、と助けを乞われているように思える。
まるで狂気に走り、母親を殺害した自分のように。
……これ以上、彼女を苦しめたくない……
……そして……
(……彼女を放置しておけば、とんでもないことになる!)
放っておけば、街の人々は皆殺しにされる。その中には、悪友の大竹や葵もいるかもしれない。
(……そんな事は絶対にさせない……!)
こんな自分を信じてくれた大竹と、冷め切った心を暖めてくれた葵を殺させはしない。
二人が死ぬ事は、自分の死よりも恐ろしい。
「彼女は……俺がなんとかする」
それが自分の、『償い』でもあるから。
緋影は、静かに決意した。